履正社振り切りKKコンビ以来の3連覇王手

試合開始からわずか12分で勝負を決定づけた。大阪桐蔭は初回、正隨優弥一塁手(3年)の2点三塁打などで5点を先制した。「履正社は先行逃げ切りのチーム。先制点を取られれば、試合展開が機能しなくなる」と西谷浩一監督(44)は読み、先攻を選ばせた。

 昨秋の大阪大会4回戦で履正社に1―13で5回コールド負け。5季連続の甲子園出場が絶たれ、履正社の分析に、より力を入れた。180校が参加する大阪大会では「データの9割5分が無駄になる」が、この日は「(野手の)ポジショニングがはまった」と指揮官は裏方に感謝した。

 先発に左打者が6人並んだ履正社に対し、左腕の田中誠也(2年)ではなく、あえてサイド右腕の福島孝輔(3年)をぶつけた。「左打者は福島のカットボールが嫌じゃないか」と今春から先発を決めていたという。チームメートを左打席に立たせて、内角を突く練習をしてきた福島は「成果が表れてよかった」と5安打2失点完投に誇らしげ。ライバルに完勝し、清原和博桑田真澄を擁した1983~85年のPL学園以来、史上2校目の夏の大阪大会3連覇へ王手をかけた。