豪栄道、目指す大関像

関脇・豪栄道(28=境川部屋)が心の強い大関を目指す。12勝を挙げて昇進を確実にした大相撲名古屋場所から一夜明けた28日、愛知県扶桑町境川部屋宿舎で記者会見。消極的な相撲と決別し、次の目標となる初優勝と横綱昇進に向けて誓いを新たにした。

 興奮で前夜は午前3時まで眠れなかったが、豪栄道大関像は既に定まっていた。「自分の相撲を取って相手をねじ伏せるような心の強い力士が大関。そこを目指したい」。自分の相撲とは、立ち合いで右を差して積極果敢に前に出る相撲。まさに、12勝してサプライズ昇進をつかんだ名古屋で見せ続けた内容だ。

 昭和以降最長となる14場所連続で関脇を務めていたが“大関候補”をなかなか卒業できなかった。その要因の一つが、小手先の相撲。器用な分、相手の圧力に対し、はたきなどでしのごうとして、攻めきれなかった。8勝止まりの先場所は15番中10番で引き技などの消極的な相撲。墓穴を掘ることが多かった。だが、今場所は負けた3番以外で引いたのは、立ち遅れた9日目の松鳳山戦だけ。その4番以外はほとんどが前に出る“積極相撲”で勝利しており、昇進問題を預かる審判部や北の湖理事長(元横綱)から高評価を得た。