広澤氏が分析 

想定外の一打が阪神バッテリーを崩した。ソフトバンクが快勝したシリーズ第3戦。本紙評論家の広澤克実氏(52)は初回、ソフトバンクの1番・柳田が放った右翼線二塁打阪神・藤浪攻略の全てと分析した。打ち取れるはずの左打者への内角スライダーを完璧に打たれたことで、藤浪の投球パターンが崩壊。対照的に大隣はシーズンと同じ投球パターンで7回無失点に封じた。1勝2敗とされた阪神は、流れを引き戻せるかが第4戦のポイントと指摘した。

 日本シリーズのような短期決戦は、いかにレギュラーシーズンと同じことをできるかが重要になる。その意味で、柳田の一打は、藤浪のシーズンの投球パターンを崩壊させる価値ある「想定外の一打」となった。

 初回に先頭打者の柳田が1ボールからの2球目を右翼線二塁打 初球の152キロ直球が外れての2球目。藤浪が投じたのは内角へ鋭く食い込む136キロのスライダーだった。本人が「カットボール」というくらいスピードがある球。シーズン中、セ・リーグの左打者をこの球で詰まらせていた。藤浪にすれば、ある程度コースに決まれば打ち取れる球。それを柳田はものの見事に引っ張って二塁打にした。