東京五輪コースで栄冠

みなみちゃんがついに日本タイトルを手にした。女子15~17歳の部は6打差の2位から出た勝みなみ(16=鹿児島高1年)が6バーディー、1ボギーの67をマークし、通算10アンダーの206で涙の逆転優勝を飾った。男子15~17歳の部は首位から出た片岡尚之(16=札幌光星高2年)が68とスコアを伸ばし、通算11アンダー、202で優勝した。

 1メートルの距離が途方もなく長く感じた。勝が「これを決めたら優勝だと自分にプレッシャーをかけた」という18番のバーディーパットはカップに沈み、その瞬間にジュニア日本一となった16歳は右手を小さく握りしめた。

 「ずっと獲りたかったタイトルなのでとてもうれしい。ジュニアの頂点に立ったということだから」。試合で初めて流した涙はうれし涙だった。

 4月に女子ツアーのKKT杯バンテリン・レディース優勝後、プロ転向の道もあった。そうしなかったのは「アマ時代にしか出場できない日本アマや日本ジュニアで勝っていないから」。日本ジュニアには中学1年だった11年から出場して3位→4位→5位。大会前は1Wが不振で「今年は6位なのかな」と弱気になることもあったが、ついに悲願を達成した。

 6打差を追い掛けてスタートしたが、1番で首位の畑岡がバーディーを奪い、差が最大の7に開いた。それでも「まだ17ホールもある」と自分に言い聞かせ、2番で3メートルを沈めて食らいつくと、2打差で迎えた14番でスーパープレーを見せた。