25日開幕全米オープン

テニスの全米オープン(25日開幕)の組み合わせ抽選が21日に行われ、男子シングルスで第10シードの錦織圭日清食品)は1回戦で世界ランキング180位、ウェイン・オデスニク(米国)と対戦が決まった。女子シングルスで第31シードの奈良くるみ安藤証券)は1回戦で世界97位のアレクサンドラ・ウォズニアク(カナダ)と激突。大会を連日生中継するWOWOWでスペシャルコメンテーターを務める元プロテニス選手の杉山愛さん(39)が展望を語った。

 時代の歯車が動くかもしれない。杉山さんは今回の全米を「男女ともに初優勝者が出る可能性がある」とみる。男子の本命は「ストロークの安定感とミスをしない攻撃的なテニス」を誇る世界1位ジョコビッチセルビア)。ただし、錦織と同世代の「勢いだけでなくプレーの魅力も備えた若い選手たち」は本格化しつつある。「若い選手が4大大会で上位にくるようになった。それが新しい流れ」と語った。その傾向は混戦が続く女子も同じだ。20歳のブシャール(カナダ)が杉山さんのイチ押し。故障を抱える左太腿の状態は気がかりだが、今季は4大大会全てで4強以上。「いつかはトップ10にくると思っていたけど既に地力がついてきた」と指摘する。

 日本勢で錦織は故障明けでの参戦となるが「トップ10の実力はある。試合数をこなせていなくても1、2回戦で調子を上げていければ」。4大大会初シードの奈良も「成績だけでなく内容が成長著しい。彼女みたいな選手が頑張っていると日本人に勇気を与える」と評価する。クルム伊達公子(エステティックTBC)は1回戦で第19シードのビーナス・ウィリアムズ(米国)、土居美咲ミキハウス)は第16シードのビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)と対戦。奮闘が期待される。