3連投上野が完投

23日の準決勝で米国を撃破した日本は、3位決定戦を勝ち上がった米国と再び決勝で対戦。初回に3点を先制すると、決勝トーナメント3戦連続の先発となったエース上野由岐子(32=ルネサスエレクトロニクス高崎)が要所を締める投球で米国の反撃を許さず、4―1で勝ち、初の大会連覇を達成した。野球日本代表「侍ジャパン」と同じロゴのユニホームを着用し、初の欧州開催を制したことは20年東京五輪での競技実施に強烈なメッセージとなった。

 最後の打者を三振に仕留めると右拳を突き上げた。世界の頂点には今も日本が、上野がいる。そう印象付けるのには十分だった。前日の準決勝で6―1で一蹴した米国との再戦となった決勝戦。ストライクゾーンの微妙な判定に苦しみ、初回から毎回走者を背負いながら、緩急自在の投球で、1失点で切り抜けた。豪栄道 鶴竜にリベンジ 代表を辞退した10年大会を除き、08年北京、12年大会と出場した世界大会は3連続で“胴上げ投手”となった。

 万全には程遠い状態だった。今季の日本代表は3大会をこなしながら、上野の登板は1イニングだけ。左膝に故障を抱え、調整もままならなかった。それでも「若い投手に教えるのも仕事」と、ベンチでは試合中も“教室”を開き、アドバイス。「投げられない状態ではない。全てを出し切る覚悟だった」と決勝トーナメントでは3連投3連勝。最後は身をもって、世界一の意味を伝えた。