巨人4日にもM22点灯

広島との首位決戦に向け長野に移動した1日。右手の手術を翌2日に控えた高橋由に電話を入れた。「どう?」。大学時代からの旧知の仲で同い年。巨人入団が決まったときにも、真っ先に連絡を入れた。新天地で気疲れしていた自分に、溶け込みやすい環境をつくってくれた。戦いの輪に加われない仲間の声を聞き、思いを背負った。そして、稲葉(日本ハム)も2日に引退を表明。「お手本にしている人がいなくなるのはさみしいです」。グラウンドに立てる重みをかみしめながら戦っている。

 安打数は6本対11本、得点圏のチャンスは1度と5度。原監督も「結果は勝ったのでしょうけれども、何かこう、本当に勝ったのかなと」と話した。だが、前田健を押し返したのは、勝負どころをかぎわける力だった。井端の逆転打では、三塁走者のロペスが絶妙のタイミングでスタートを切った。直後には相手エースの動揺を逃さず、長野がダメ押しの左越え11号2ラン。ロペスは「全てのことに準備ができていた」。長野も「無我夢中だったので感触は覚えていない」と話す。個々が置かれた状況で、何をすべきか考え、集中力を高める。今季はそうやって戦ってきた。

 「相手よりも1点多く取れば勝てる。どうやって取ればいいか、いつも考えてやっている」

 井端の言葉はチームに浸透する。首位決戦に連勝。前田健を倒し、4日にもリーグ3連覇へ向けた優勝マジックが点灯する。